ESP32-S3 は、2.4GHz帯Wi-FiとBluetooth® 5 (LE)を統合したMCUチップで、長距離通信モード(Long Range)に対応。Xtensa® 32ビットLX7デュアルコアプロセッサ(最大動作周波数240MHz)を搭載し、512KB SRAM(TCM構成)と45本のプログラマブルGPIOを内蔵。さらに高速Octal SPIフラッシュ/外部RAMの拡張サポートにより、ユーザー定義のデータキャッシュ&命令キャッシュ構成が可能です。

AI アクセラレーション対応
ESP32-S3 MCU は、ニューラルネットワークの計算や信号処理などを高速化するためのベクトル命令(vector instructions)を追加しています。AI 開発者は、ESP-DSP や ESP-NN ライブラリを通じてこれらのベクトル命令を活用し、高性能な画像認識、音声のウェイクワード検出や認識といったアプリケーションを実現できます。また、ESP-WHO および ESP-Skainet もこの機能をサポートしています。
Wi-Fi + Bluetooth 5 (LE)
ESP32-S3は2.4GHz帯Wi-Fi(802.11 b/g/n)を統合し、40MHz帯幅をサポート。Bluetooth Low EnergyサブシステムはBluetooth 5(LE)とBluetooth Meshに対応し、Coded PHYとブロードキャスト拡張による長距離通信を実現します。さらに、2Mbps PHYをサポートし、伝送速度とデータスループットを向上させます。ESP32-S3のWi-FiとBluetooth LEは優れたRF性能を誇り、高温環境下でも安定した動作を保証します。
豊富なI/Oインターフェース
ESP32-S3 は、45 個のプログラマブル GPIO を備え、SPI、I2S、I2C、PWM、RMT、ADC、UART、SD/MMC ホストコントローラ、TWAITM コントローラなど、一般的な周辺インターフェースに対応しています。そのうち14本のGPIOはHMI向けの静電容量式タッチ入力として設定可能です。また、超低消費電力コプロセッサ(ULP)を搭載しており、複数の低電力モードをサポートすることで、さまざまな低消費電力アプリケーションに適しています。
高度なセキュリティ機構
ESP32-S3は、IoTデバイス向けに、包括的なセキュリティメカニズムと保護対策を提供し、様々な悪意ある攻撃や脅威から防御します。AES-XTSアルゴリズムに基づくFlash暗号化、RSAアルゴリズムに基づくセキュアブート、デジタル署名、HMACをサポートしています。さらにESP32-S3では新たに「World Controller」モジュールを追加し、互いに干渉しない2つの実行環境を実現することで、信頼できる実行環境や権限分離メカニズムを構築可能です。
成熟したソフトウェアサポート
ESP32-S3では、Espressif社の確立されたIoT開発フレームワークESP-IDFを継続採用しています。数億台のIoTデバイスで実証された本フレームワークは、厳格なテストとリリースサイクルを経ており、明確で効果的なサポートポリシーを有しています。開発者は、この成熟したソフトウェアアーキテクチャを基に、ツールや API に精通することで、アプリケーションの構築や既存プログラムの ESP32-S3 プラットフォームへの移行が容易になります。
製品
- ESP32-S3 チップ
- ESP32-S3 モジュール
- ESP32-S3 開発ボード